源氏物語2年目。

脚本を書いている最中に不思議体験をしました。

こともあろうに原作には無い「葵の上」の許しの言の葉が月妃女の口から溢れ、ついには六条御息所から葵への懺悔の言の葉まで溢れ、涙止まらず、その場で書き留め脚本に加筆しました。

その時、これは作者・紫式部が降臨されたのではないかとさえ感じてなりませんでした。

紫式部と言えば「源氏供養」。仏に反して色恋を書いた罪で地獄に落ちて苦しんでいるのを救済するための祈り。さらには源氏物語の読者までも同様に地獄で苦しむとされ「源氏供養」が広まりました。紫式部の影響力の絶大さを感じる歴史的事実です。

1000年の時を経ても今なお愛され続ける魔性の「源氏物語」の作者・紫式部の魂は、今なおこの世を彷徨われているような気がしてなりませんでした。

月妃女演出の最高潮場面は、六条御息所の死後。

六条御息所の生霊が殺めてしまった「葵の上」が三途の川の向こうで待っている! そして葵は六条御息所へ許しの声をかける。「わたくしたちは同じ殿方を愛したがために憎しみあってしまいました。もし違う出会いでしたなら・・・」

六条御息所は号泣して懺悔する。

二人の間のわだかまりは消え、葵に導かれるようにして六条御息所は天界へと昇天する。鎮魂するまで成仏できなかった魂が真に救済される瞬間を表現することに尽力しました。 後日、とある陰陽師から「貴女には平安時代の高貴で実力ある女性の守護霊が2体もついていて、貴女にしかできない踊りをさせている。」と言われました。

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